つねづね草 ~元校長のひとり言~
小学部の庭のタイサンボクに花が付き、開き始めました。純白の大輪です。先月5月31日は三木先生の命日でした。没後40周年に当たります。元校長の星先生にお越しいただき、三木先生との思い出話や旭出学園の今日までの歩みについてお話しいただきました。タイサンボクは三木先生がお好きな花木で、植樹を希望され、以後半世紀を経過し、本当に大木になっています。下から見上げても花は目立たないのですが、小学部の2階から眺めるとその花の美しさに見とれます。特別支援教育の黎明期にあって、試行錯誤を繰り返しながら、どの色にも負けない純白の大輪を咲かせたい、というお気持ちを現しているではないかと、勝手ながら想像してしまいます。
6月15日の旭出あおば会余暇活動に参加したOさんにばったり会いました。私の白くなった髪を見て「黒く染めたらどうですか?」「僕のおばあちゃんはこうやって染めていますよ。」と髪を染めるしぐさを見せてくれました。「ありがとう、考えてみますね。」と答えましたが、確か卒業前にも「変わらない方がいいです、」という彼の意見に従った記憶がありました。ありのままでいいかな、というのが私の現在の心境ですが、彼の意見は否定せず感謝を伝えながら、ゆっくりと私の変化も受け入れてくれたらいいなと思います。
さて今回は、「浴衣の着付け教室」のお話です。日本和装のご協力を得て6月22日に開催しました。保護者の会の主催で、中学生以上の生徒の参加を募集し、12組の応募がありました。日本和装は、社会貢献として、中学生、高校生を対象に、毎年学校訪問をして「浴衣の着付け教室」を開催しているという情報を得て、保護者の会に相談しました。昨年は申請が遅く日程調整がつかず見送りましたが、今年度は年度当初から保護者の会と打ち合わせ申し込み、開催が実現しました。
日本和装は、特別支援学校での開催はいまだ経験がないということでした。方法は変則的になるかと思いますが、今回は保護者会主催ということで、可能な保護者には生徒と一緒に参加していただき、保護者が講師に着付けの仕方を教わりつつ、生徒に着せるという流れでおこないました。
まず中学生2名の男子に着付けをしてもらいました。すぐに脱いでしまいそうに思い、着付けをしてもらったら即記念撮影をと段取りをしていたのですが意外にも最後まで嫌がらず、浴衣も着たままで過ごしていました。中学生から高校生、専攻科の女子10名は、それぞれに好きな柄の浴衣を選び、意欲も高く、講師から教わったお母さんが戸惑いながらゆっくり結ぶ帯をしっかり待つことができました。蝶々のような形の結びを背中に回して完成すると、保護者の会の力作の撮影スポット「朝顔の簾」と「天の川」の二か所に移動して「映える写真」撮影を楽しんでいました。
今回日本和装の講師やスタッフチームのみなさまには、生徒たちが浴衣を着て喜ぶ姿を共有していただきました。講師の先生方からも楽しかったと感想をいただきました。これを機に、様々な特別支援学校での開催にも意義と意欲を強く抱いていただいたのではないかと思います。貴社の社会貢献がさらに広がり、充実したものになっていくことを期待しています。ありがとうございました。
浴衣着ていつもと違う私たちママも笑顔であの子も笑顔