2024.04.24

つねづね草 ~元校長のひとり言~

 桜満開での入学式でした。桜の丁度いい状態と一緒に記念写真を撮るのは、何年振りでしょう。翌日は大荒れの天気で雨風の強い一日でしたので、なんてラッキーなんでしょう。翌水曜日は出勤日で、青空に桜が映えている様子を見ながら正門をくぐりました。すれ違った校長が「小学部の桜最高ですよ!」と教えてくれたので、「子どもたちが帰ったら絶対お花見をしよう」と心に決めました。午後3時になる前に、「花見には団子」と近くの団子屋さんに行きましたが、お休みで、仕方なくスーパーで団子を10パック買って、職員を誘ってみました。浅はかな考えでした。新年度が始まったばかり、そんな暇な時間は誰にも無く、部内の話し合いや保護者との面談、さまざまな会議などスケジュール調整も大変だったことを思い出しました。仕方なくベンチを桜の大木の下に運び、桜越しの青空を見届け、茶をすすり、「きれい!」を連発しました。一人花見は15分ほどで終了しました。買い過ぎた団子をおすそ分けして、4時から予定していた打ち合わせのメンバー達と2階の会議室から桜を見ながら団子を頂きました。頑張ってくれた桜も1週間後には散ってしまい、葉桜の季節になりました。季節は駆け足です。もっとゆっくりとついつい思うこの頃です。

 さて今回は、「旭出生産福祉園の職場訪問」のお話です。4月も2週間が過ぎ、この3月に社会人となった10名の方が就労した職場を進路担当の職員と一緒に訪問しています。お隣の旭出生産福祉園には3月末に専攻科を修了した3名の方が通園していますので、訪問してきました。それぞれの作業場に馴染み、先輩の利用者さんからも喜んで受け入れられている様子でした。旭出生産福祉園は今年で開所50周年を迎えますので、利用者さんの年齢も20代から70代と幅広く、作業の時間を大切にしながらも、健康の保持やリハビリのための活動が多くなっている様子が見られました。高齢化への対応は、日本中至る所に存在する課題です。老若男女様々な年代や個々の特性を抱えた利用者さん達に、どのような支援や活動を提供すべきかをこれからも模索し続けなければなりませんが、自分の居場所として受け入れ、また受け入れられていることがまずは大事だと思います。新人3名もそれぞれの活動グループで日課に沿って落ち着いて参加しているとのことでした。その様子を職員が共に喜んでいること、さらにこうしよう、ああしようと思いを巡らせて、学校時代の支援の仕方などを積極的に質問してくれることをうれしく思います。今後も学校から社会への移行支援を見える形で継続していきたいと思います。

 コロナ禍があり、生産福祉園の利用者が、昼休みに母校である学校の様子を見に来るということはまだ再開していませんが、卒業生の様子をこんなに近くで見られる環境はそうそうありません。会えば必ず「先生、元気?」「大丈夫?」と声をかけてもらえることがありがたいですし、「ここに居るよ」「会いに来てね」と言われることで、私にとっても大切な居場所の一つになっているのだと思います。

おなじみの顔で挨拶うれしくてここが私の居場所になった