2025.03.28

つねづね草 ~元校長のひとりごと~『なりたい自分となれた自分』

 3月19日は、卒業式でした。雪の朝を迎え、何か夢の中の出来事のようでしたが、丁度登校時に雪が強くなり、学園までの道のりはみなさん大変だったと思います。大変なことは思い出の中に深く刻まれますから、私にとっても思い出深い卒業式になりました。高等部からはお一人の卒業生が、専攻科からは五名の修了生が社会へと旅立ちます。生活介護施設、継続B型作業所、企業就労へと進路はそれぞれですが、自分で選んだその場所で、また一つずつできることに挑戦し、成長する自分に自信を持って歩んで欲しいと思います。きっと失敗に泣く日もあるでしょうし、できた喜びに浸ることもあると思います。失敗は成功の元ですし、そこからの学びは大きいです。喜びは励みになり歩みを支えてくれます。旭出学園はこれからもみなさんの応援団です。相談したいことがあれば「生涯支援部」に連絡してください。一緒に喜んでほしいことも教えてください。幸せのお裾分けをお待ちしています。

 さて今回は、個人的な想いなのですが、「なりたい自分となれた自分」のお話です。70才になった今も、悩んだり、迷ったりすることはたくさんあります。どこかで選択を間違えてしまったのか、あの時もっと頑張ればよかった、と後悔や反省もします。20歳の頃なりたかった自分、30歳の頃、40歳50歳60歳と歳を重ねるうちに若かった頃に「なりたかった自分」とはかけ離れていることに気づいたりもします。ですが、不思議と若い頃のような悔しさや焦りを感じることは無くなりました。M先生が高等部のお別れ会で卒業生に贈った言葉「まあいいか」と自分を認められるようになってきました。今、私には家族がいて、友だちもいて、仕事もある、そんな生活を十分楽しんでいることに気づかされます。私はおしゃべりが好きで、特に家族や友だちと何でもない話をして笑っている時が楽しいです。足りないものやないものねだりは歳を重ねても「隣の芝生は青い」とうらやましく思ってしまいますが、顧みれば一人じゃないし、食欲もある、明日の予定もあるという何でもない日常を有難いと思える自分がいます。この幸せを持続させたいと思いますし、そうするにはまず健康です。ですからこれからも身体も心も健康に過ごすことを心がけたいと思います。その一つは、好きなことを続けること、好きなことは人と繋がり仲間になるきっかけにもなるので一人ではなくなります。私はテニスが好きで、退職してから地元のシルバーテニスの会に入りました。仕事優先で地元との繋がりはほとんど無かったのですが、テニスを通じてお仲間ができました。「なれなかった自分」を悲しむ必要はないですし、「なれた自分」を大切に、またみなさまとの関わりを大事にしていきたいのです。

 自分が置かれた場所で、最大限に良いと思うことをしよう」「自分がハッピーになるためには、周りの人もハッピーでなくてはならない」これは、アジア初の女性宇宙飛行士として知られる向井千秋さんの言葉ですが、私も胸に刻んで自分にできることをしながら今を楽しんで生活していこうと思います。自分がハッピーになるためにすることに無駄なことは何もないはずですから。それが周りもハッピーにするならば言うこと無しです。

 今年度も、たくさんのご支援とご協力を頂きましたこと、感謝申し上げます。新年度もまた、みなさまが健康でハッピーな日々を過ごせますよう願っています。

今日明日十年後にはどんなかな仲間は仲間いようよずっと