10月8日(日)は前日の雨が嘘の様な快晴、運動会日和になりました。小学部から中学部、高等部、専攻科、そして卒業生も参加してみんなが自分の力を出し、仲間を応援し、みなさんに楽しんでいただいたと思います。親子競技や激走などで午前中リードしていた白組に午後の競技で紅組が追いつき、2年連続同点引き分け、会場が拍手に湧きました。ご参加いただいたみなさま、ご声援ありがとうございました。
その後、秋らしい天候になかなか恵まれず、雨が多く、ついには台風直撃。全国的に被害も出ています。本校も登校時間にあたりますので児童生徒は臨時休校にしました。台風一過、天高く白い雲が流れる空を見ていると、校庭に遊ぶ生徒がいないのが不思議な感じです。これからしばらく天候も良いようですので、子どもたちには学園の中でもいろいろな秋を楽しんでほしいと思います。
さて今回は「カリキュラム入寮」のお話です。今年から河西教頭と交代で生活自立寮の朝のお手伝いをしています。昨年度までは、寮の職員が朝6時半から9時半、夕方2時半から10時まで勤務して頂いていました。男女二人の職員で寮指導を担い、どちらかお一人は翌朝まで宿直します。変則的ですし、なかなかハードな働き様です。夜の10時といっても記録や朝食の段取りなどをすると時間を過ぎることもしばしばですし、翌朝6時半までに出勤しなければならないことを考えるとストレスも大きいと想像できます。少しでも勤務の在り方を改善すべきということで朝の支援に入りました。
寮職員は保護者に代わり、連絡帳だけでなく直接担任に生徒の様子を伝えたいとの思いが、生活自立寮を始めた時から継承されてきました。「ただいま」と帰ってきた生徒を家族のように迎え、朝「いってらっしゃい」と身体と心の状態を把握しつつ送り出しています。就寝前の職員と朝の職員が交代することに、寮の先生たちの心配も聞かれました。今後も職員が長期的に支援、指導できる体制を考えると勤務時間の短縮は大きな課題です。入寮中の生徒の状態を共有するために毎週木曜日の午後、寮職員と教頭と4人で一週間を振り返り、様子や課題を話し合います。個別の支援は同じやり方で継続しなければ定着も改善も難しいですし、健康面や精神面のケアも共通理解していなければなりません。この話し合いを継続することでスムーズな連携ができてきたと思います。寮の先生方と話し合いを重ねるにつけ、彼らの配慮のきめ細やかさややるべきことの多さに気づかされました。
これまでにも朝夕の寮に入り、生徒と一緒に過ごすことで生活自立寮の支援の在り方や生徒一人一人の寮での生活を分かっているつもりになっていた気がします。やはりやってみて初めて分かることも多いですし、保護者の方々が毎日毎日されていることだということにも改めて気づきます。起床、検温、排泄、着替え、洗面、布団の上げ下ろし、洗濯物を干す、食事、歯磨き、役割、登校準備、6時半の起床から8時半の登校までの間にしてもらう事が並びます。自分からやりやすいように環境を整えることが大切になります。自分で起きられるように目覚まし時計を持ってきてもらう、健康チェックのために使いやすい体温計を持参してもらう、着替えがしやすいように就寝前に明日の服を準備しておく、配膳がしやすいようにランチョンマットに食器などの置く場所を印しておく、トイレの使い方を図にして示す、その他手順表を作っておく、一人一人の今身に付けたい点を共有しながら、ご家庭のやり方とも大きく変わらないように、または寮の経験をご家庭で活かせるような道具や支援方法があれば用意しています。これらは始まって18年間になる生活自立寮の教育実践から培われ、子どもから学んだ支援方法だと思います。子どもから教えてもらったことですから、子どもたちに返してあげたいものです。
「日々の生活リズムを定着させることが大切です。」とお伝えすることが多いのですが、生徒ひとりひとりの課題がありますので口ほど簡単ではないことも分かります。寮生活を通してその生徒に合う支援の仕方が分かり、ご家庭でも継続できるように生活自立寮の体験をより活かせるように支援していくことが大切だと思います。寮体験の前と後には個別に面談をしていますが、何もかもではありませんので、まずできそうなことから寮生活でも始めています。やることがわかり、やったことに達成感を持ち、自分からできるようになる、一つ一つがつながり一定のリズムが刻まれ始めます。そこを発見させてもらえるのはうれしいものです。
三つ並び 茹でたて美味し 落花生
2017.10.24