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晴れた日、小学部の遊びを終えて事務所に戻る間、グランドの方からスーッと受ける風が何とも心地よく、ゆっくり進むとバックネットのいつもの場所にはいつものように時を間違えずに背伸びして咲きはじめた彼岸花に目が留まります。ここから学園も一気に秋めいていくことでしょう。
この時期児童生徒のみなさんは、それぞれの学部の図工や美術の時間に来月初めの運動会に向けて万国旗と一緒に飾る旗作りをしています。運動会では各種目と共に青空の下で揺れる一人一人の旗にも注目していただきたいと思います。
さて今回は「小学部のあそび」のお話です。
登校後、毎日持ってくる歯ブラシやコップ、タオルや連絡帳などを自分の置き場所に片付けて校内着に着替えます。そしていよいよ、このためにいろいろ頑張ったと言ってもよい「あそびの時間」です。登校からのこの過程ですが、ノンストップで遊びまで行くようになるにはまだ時間のかかりそうなA組さん(小学部1・2年生)です。片付けの途中で庭に出たくなることも靴を履きたくなることもホールのプラレールを覗きに行くこともあります。外ではB組(3・4年生)やC組(5・6年生)のお兄さんお姉さんたちが自転車やかくれんぼをしたり、虫取りやハンモックに乗ったり、楽しそうな遊びがもう始まっています。A君は自転車が大好き、先生との二人乗りをまず楽しみます。B君も三輪車や荷台を引いて走る四輪車など乗れるものにはすべて乗ろうと自力で漕いでいます。Cさんはまず鉄棒で前回りを上手に決めて見せてくれます。友達や先生の様子を見ながら、かくれんぼに入れてもらったり、虫取りをしたり、友達を誘ってハンモックに乗ったりやりたいあそびを選んでいます。D君はサッカーボールも大好きでゴールキックが上手です。誘われたあそびに加わっていた1学期と違って、自転車に乗りたい、ハンモックに行きたいと手を引いたり指さししたりサインを出したりしながらやりたいことを伝えています。E君は今色づいてきた柿の実が気になっているようでジャングルジムに上っています。走って築山に上り庭を眺め気持ちよさそうにしています。先生の所まで走って「ブランコやって!」たか「自転車乗りたい。」と自分のやりたいことを伝えています。A君はシーソーに行きました。B君はシャボン玉を始めました。Cさんは「バッタ、捕まえたよ。」と言っています。シーソーに誘われたD君は「イヤ!自転車がいい!」とお断りしました。E君は大きく揺らしてもらったブランコをにこにこして漕いでいます。
9時30分から「あそびの時間は終わりです。教室に入ってホームルームをしてください。」と放送係のアナウンスがある10時まで毎日たっぷり遊びますが、それでも足りない様子で、やっていたぶらんこやしーそー、カウントダウンの掛け声がかかります。「1,2,3,4,5、、、、10、おまけのおまけの汽車ぽっぽ、ぽーとなったら、はい、おしまい。」
できればずっと遊んでいたい気持ちをすぐに切り替えるようになるまでにも、まだ時間はかかりそうなA組さんです。それでも自分の好きな遊び、好きな先生や友達、好きな場所や物を見つけて自分から遊びに取り組み、楽しみますのでどの子の表情も満足そうです。「いっしょに、あそぼ!」その甘い笑顔についついこちらも乗せられます。
小学部のあそびは、児童が主役、児童が主体で展開しますので、教員や支援員はその子のやりたいことに寄り添いながら遊びが充実するように支援していく必要があります。特に低学年の子どもたちは、ひとりひとりが好きな遊びに取り組めるように、まずやりたいことを受け止めて展開します。「やりたい」「遊びたい」気持ちを引き出し、遊びは楽しいという経験を重ねることで、あらゆる活動に対して自主的自発的に取り組むようになります。そばに自分がやりたいことに共感して寄り添う人がいること、自分が認められていること、自己肯定感の形成です。これがとても大切です。
高学年になると設定あそびにも進んで参加し、リーダーとしての役割をやりたがるようになります。遊びのルールを知り、順番を守る、役割を交代するなどの社会適応スキルを高め、人と協力し折り合いをつける力がつき、人格形成に繋がっていきます。
楽しいことをたくさん経験した人は、辛いことへの対処も上手だと聞きます。これからでも遅くありません、大人もこどもに負けず、楽しいことを一つでもたくさん経験していきましょう。
2017.9.20
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